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日本薬科大学

もし、薬や健康のことで困ったら・・・

  2018.1.23

健康な時には必要性を感じませんが、体調が悪くなってくると不可欠になるのが薬です。薬には、お医者さんにかからないともらえない医療用の薬と、薬局やドラッグストアなどで自由に購入できる一般用の薬があります。



薬は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称:医薬品医療機器等法)」によって、開発から使用に至るまで、様々な許認可手続きや取扱いが定められています。一般に医薬品の開発には、9年から17年の歳月と約300〜500億円の費用が必要とも言われています。


 


下の図は、一般的な薬の開発から使用に至るまでの流れを示したものです。専門用語があってわかりにくいかもしれませんが、薬として品質、有効性、安全性を国(厚生労働大臣)に認められなければ、世の中に薬として出てこられません。また薬として認められ販売された後も副作用等の情報収集は続けられ、有効性、安全性の様々な調査、審査や評価が続けられています。



 


薬の開発は、薬となる候補物質を絞り込み、まず非臨床試験(動物や細胞を使用した様々な毒性試験)を行い、安全性を確認し、次に人を対象にした臨床試験で、少数の健康人から少数の患者、多数の患者へと試験を進め、有効性、安全性を確認していきます。臨床データで有効性、安全性が証明されるまでには多くの時間と経費を必要とされるわけです。


 


薬は、このような有効性、安全性に関する厳しいチェックをクリアしているはずですが、物質の持つ薬理作用(生体に生理的な変化をもたらす働き)には様々な作用があります。私たちは、その作用の長所(主作用)を薬として活用しているのであって、現れる短所を一般に副作用と呼んでいます。


医師や薬剤師から指導されたとおりに薬を正しく使用していても、入院するような健康被害が起こることがあります。抗がん剤などの例外はありますが、国はこのような健康被害の発生に備え「医薬品副作用被害救済制度」を設けています。医薬品医療機器等法に基づき製造販売業の許可を受けている者が製造販売した薬(一般用医薬品を含む)が原因で、健康被害が発生した場合には医療費などが給付されます。


 


もし、あなた自身又は家族に、薬の副作用と思われる健康被害が起こったら、身近な薬剤師に相談してみてください。その薬剤師が、人望が厚く、薬のことはもとより、幅広い知識・経験があれば、あなた自身又は家族の健康寿命を延ばす健康サポーターになるはずです。


 



 


日本薬科大学 薬学教育推進センター 教授


西川由浩